【志縁塾物語】その3:酒田南高校編

山形の庄内にある酒田南高校から連絡があった。
「たくさんの仕事があることを、地方の高校生ほど知らない。でも、何とか子どもたちに、『いろんな生き方があるんだ。いろんな仕事があるんだ』ということを感じさせて欲しい」と。

 今度は、熱いわたしの仲間たちが、順番にほとんどボランティアで酒田南高校に行ってくれた。


ITベンチャーで有名なインデックスデジタルの谷井等社長。

彼は、30才台にもかかわらず、何千万人のメールアドレスを管理して、メルマガを配信している。
「僕、別にすごくないよ。僕は、大学生の時に友達と夜中まで飲んでたんだ。僕は、夜中に大阪に帰った。でも、その友人は、それから2時間後、阪神大震災で亡くなったんだ。2時間前まで、二人は、夢を語っていたのに・・・。それから、僕は、時間を大切にするようになっただけ」
そんな話をしてくれた。


 西川きよしさんの議員秘書だった小川寿士さんは、
「僕は、漫才師を目指してたんだ。なのに、西川さん、政治家になったんだよ。悩んだよ。でも、西川さんが大好きだったから、僕も政治の勉強をすることにした。今は、西川さんが『小川、僕は、絶対に漫才では君に負けないけど、政治の知識では負けるかもな』と、言ってもらえるようになったんだ」
そんな話をしてくれた。


 自転車で世界一周したミキハウスの坂本達さん。
「僕が、病気で死にそうになった時に、その村に一つしかない薬を僕のために使ってくれたんだ。そして、僕は助かった。その時から、僕は、生かされているんだと感じるようになった。やっぱり、生きているからには、やらなきゃならないことがあるよ」
そんな、話をしてくれた。


こんな感じで、いろんなメンバーが酒田に行ってくれた。
3年やった時に奇跡が起こった。昨年の4月だった。校長先生がとても嬉しそうに言ってくれた。

「ついに、うちの高校、今年、1人もニートもフリーターも出さなかった。
 みんな、『社会人ていいかも』 『1回は、ちゃんと働いてみよう』と、感じてくれたんだよ」


心を鍛えて感性を磨く・・。 

そんなマインドを伝えることが、私達の使命になった。